危険物取扱者 乙種第4類 / 基礎物理化学 / 問題 No.011
乙4 過去問 基礎物理化学 No.011 ― 熱の移動(伝導対流放射)に関する記述として誤っているも…
問題文
熱の移動(伝導、対流、放射)に関する記述として、誤っているものはどれか。
選択肢
- 固体の内部を、温度の高い部分から低い部分へ順次熱が伝わっていく現象を熱伝導という。
- 太陽の熱が、真空である宇宙空間を通って地上の物体を暖めるのは、電磁波による対流の働きである。
- 液体や気体において、温度の上昇により比重が小さくなった部分が上昇し、周囲の冷たい部分が下降することで熱が移動する現象を対流という。
- 熱を伝える物質が中間に存在しなくても、熱エネルギーが電磁波の形で空間を伝わる現象を熱放射(放射伝熱)という。
- 火災時に、風下にある建物が炎に直接触れていないにもかかわらず、火災の熱を受けて発火するのは、主に熱放射によるものである。
解答・解説
正解: 2
正解は「熱放射は物質がなくても熱が伝わる現象」です。太陽の熱が宇宙を通って地球に届くのが典型例です。熱の伝わり方は3種類あり、固体を通じて伝わるのが「熱伝導」、液体・気体が動いて伝わるのが「対流」、電磁波で伝わるのが「熱放射」です。
関連論点
熱の性質
【ポイント】
熱の伝わり方は「伝導・対流・放射(輻射)」の3種類。なかでも熱放射は真空中でも伝わる唯一の形態で、太陽熱がその典型例。比熱が大きい物質は温まりにくく冷めにくい。
【よく問われること】
・熱伝導:固体内部を伝わる(熱伝導率:固体>液体>気体)
・対流:液体・気体が動いて熱を運ぶ
・熱放射:電磁波として真空中でも伝わる(隣接建物への延焼の主因)
・比熱が大きい=温まりにくく冷めにくい(水の比熱は大きいため冷却消火に優れる)
・熱量の計算式:Q=質量×比熱×温度変化(ΔT)
【数値・例外】
・水の比熱:約4.2 J/(g・K)(他の物質より非常に大きい)
・体膨張率の大きさ:気体>液体>固体
・断熱材に空気を含む素材が使われるのは、気体の熱伝導率が最も小さいため
ひっかけパターン解説
物理化学の概念逆転
【どう騙されるか】
「大きい=良い」「小さい=悪い」という日常感覚と逆の結論が出る物理・化学の概念を狙い撃ちにする。「比熱が大きい→温まりやすい」「熱伝導率が大きい→燃えやすい」という直感的な誤解を利用する。
【含まれるパターン】
・物理変化と化学変化の混同:ドライアイスの昇華・食塩の溶解などの物理変化を「化学変化」とする。電気分解(新物質が生成→化学変化)を「状態変化だから物理変化」とする逆転。
・熱伝導率の誤解:熱伝導率が「大きい→熱が逃げやすい→燃えにくい」のに「大きいから熱が蓄積されやすく危険」と逆転させる。
・比熱の逆転:比熱が大きい=温まりにくく冷めにくいのに「大きいから温まりやすく危険」と逆転させる。水の比熱が大きいことが冷却消火に有効な理由と矛盾する記述を配置。
・酸化と還元の定義逆転:酸素を失う反応は「還元」なのに「酸化」と呼ぶ。イオン化傾向が大きい→酸化されやすい(さびやすい)のに「還元されやすい」とすり替える。
・熱の移動のすり替え:真空中でも熱が伝わる「熱放射(電磁波)」を「対流」と呼ぶ。「真空中では熱は一切伝わらない」という直感的な誤解を利用する。
【見破り方】
・比熱が「大きい」→温まりにくく冷めにくい(水が消火に有効な理由)。熱伝導率が「大きい」→熱が逃げやすい(蓄積しにくい)。どちらも「大きい=危険」ではない。
・「酸素を失う」「水素を得る」「電子を得る」は「還元」の3つのどれかに必ず当てはまる。
・「真空中でも熱が伝わる」のは熱放射だけ。太陽熱が宇宙を伝わる=熱放射と覚える。
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