危険物取扱者 乙種第4類 / 基礎物理化学 / 問題 No.044
乙4 過去問 基礎物理化学 No.044 ― 熱の移動(伝熱)及び熱の性質に関する記述として正しいものは…
問題文
熱の移動(伝熱)及び熱の性質に関する記述として、正しいものはどれか。
選択肢
- 熱を伝える物質が存在しない真空中では、熱の移動は一切起こらない。
- 熱伝導率が大きい物質ほど、与えられた熱が内部に蓄積されやすいため、着火しやすく燃焼の危険性が高い。
- 火災時に、風下にある建物が炎に直接触れていないにもかかわらず熱を受けて発火するのは、主に熱伝導によるものである。
- 太陽の熱が、真空である宇宙空間を通って地上の物体を暖めるのは、熱放射(放射伝熱)の働きによるものである。
- 液体や気体において、温度の上昇により比重が小さくなった部分が上昇し、周囲の冷たい部分が下降することで熱が移動する現象を熱伝導という。
解答・解説
正解: 4
熱放射(放射伝熱)は電磁波として熱が伝わる現象で、真空中でも熱が伝わります。太陽の熱が宇宙を通って地球に届くのが典型例です。熱の伝わり方は伝導(固体)・対流(液体・気体)・放射の3種類です。
関連論点
熱の性質
【ポイント】
熱の伝わり方は「伝導・対流・放射(輻射)」の3種類。なかでも熱放射は真空中でも伝わる唯一の形態で、太陽熱がその典型例。比熱が大きい物質は温まりにくく冷めにくい。
【よく問われること】
・熱伝導:固体内部を伝わる(熱伝導率:固体>液体>気体)
・対流:液体・気体が動いて熱を運ぶ
・熱放射:電磁波として真空中でも伝わる(隣接建物への延焼の主因)
・比熱が大きい=温まりにくく冷めにくい(水の比熱は大きいため冷却消火に優れる)
・熱量の計算式:Q=質量×比熱×温度変化(ΔT)
【数値・例外】
・水の比熱:約4.2 J/(g・K)(他の物質より非常に大きい)
・体膨張率の大きさ:気体>液体>固体
・断熱材に空気を含む素材が使われるのは、気体の熱伝導率が最も小さいため
ひっかけパターン解説
物理化学の概念逆転
【どう騙されるか】
「大きい=良い」「小さい=悪い」という日常感覚と逆の結論が出る物理・化学の概念を狙い撃ちにする。「比熱が大きい→温まりやすい」「熱伝導率が大きい→燃えやすい」という直感的な誤解を利用する。
【含まれるパターン】
・物理変化と化学変化の混同:ドライアイスの昇華・食塩の溶解などの物理変化を「化学変化」とする。電気分解(新物質が生成→化学変化)を「状態変化だから物理変化」とする逆転。
・熱伝導率の誤解:熱伝導率が「大きい→熱が逃げやすい→燃えにくい」のに「大きいから熱が蓄積されやすく危険」と逆転させる。
・比熱の逆転:比熱が大きい=温まりにくく冷めにくいのに「大きいから温まりやすく危険」と逆転させる。水の比熱が大きいことが冷却消火に有効な理由と矛盾する記述を配置。
・酸化と還元の定義逆転:酸素を失う反応は「還元」なのに「酸化」と呼ぶ。イオン化傾向が大きい→酸化されやすい(さびやすい)のに「還元されやすい」とすり替える。
・熱の移動のすり替え:真空中でも熱が伝わる「熱放射(電磁波)」を「対流」と呼ぶ。「真空中では熱は一切伝わらない」という直感的な誤解を利用する。
【見破り方】
・比熱が「大きい」→温まりにくく冷めにくい(水が消火に有効な理由)。熱伝導率が「大きい」→熱が逃げやすい(蓄積しにくい)。どちらも「大きい=危険」ではない。
・「酸素を失う」「水素を得る」「電子を得る」は「還元」の3つのどれかに必ず当てはまる。
・「真空中でも熱が伝わる」のは熱放射だけ。太陽熱が宇宙を伝わる=熱放射と覚える。
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