危険物取扱者 乙種第4類 / 基礎物理化学 / 問題 No.068
乙4 過去問 基礎物理化学 No.068 ― 比熱と物質の温まりやすさの関係に関する記述として誤っている…
問題文
比熱と物質の温まりやすさの関係に関する記述として、誤っているものはどれか。
選択肢
- 比熱とは、物質1gの温度を1℃(1K)上昇させるために必要な熱量のことである。
- 比熱が大きい物質ほど、同じ熱量を与えたときの温度上昇が小さいため、温まりにくく冷めにくい性質がある。
- 水は他の多くの液体に比べて比熱が非常に大きいため、わずかな熱で温まりやすく、火災に対する冷却消火の効果は小さい。
- 比熱が小さい物質ほど、少量の熱エネルギーで温まりやすいため、一般に発火しやすい傾向がある。
- 熱量(Q)は、物質の質量(m)と比熱(c)と温度変化(ΔT)の積で求めることができる。
解答・解説
正解: 3
水の比熱は約4.2J/(g・K)で他の物質より非常に大きいため、温まりにくく冷めにくいです。同じ熱量でも水は温度が上がりにくいため冷却消火剤として優れています。また蒸発熱も大きいため気化するときに大量の熱を奪います。
関連論点
熱の性質
【ポイント】
熱の伝わり方は「伝導・対流・放射(輻射)」の3種類。なかでも熱放射は真空中でも伝わる唯一の形態で、太陽熱がその典型例。比熱が大きい物質は温まりにくく冷めにくい。
【よく問われること】
・熱伝導:固体内部を伝わる(熱伝導率:固体>液体>気体)
・対流:液体・気体が動いて熱を運ぶ
・熱放射:電磁波として真空中でも伝わる(隣接建物への延焼の主因)
・比熱が大きい=温まりにくく冷めにくい(水の比熱は大きいため冷却消火に優れる)
・熱量の計算式:Q=質量×比熱×温度変化(ΔT)
【数値・例外】
・水の比熱:約4.2 J/(g・K)(他の物質より非常に大きい)
・体膨張率の大きさ:気体>液体>固体
・断熱材に空気を含む素材が使われるのは、気体の熱伝導率が最も小さいため
ひっかけパターン解説
物理化学の概念逆転
【どう騙されるか】
「大きい=良い」「小さい=悪い」という日常感覚と逆の結論が出る物理・化学の概念を狙い撃ちにする。「比熱が大きい→温まりやすい」「熱伝導率が大きい→燃えやすい」という直感的な誤解を利用する。
【含まれるパターン】
・物理変化と化学変化の混同:ドライアイスの昇華・食塩の溶解などの物理変化を「化学変化」とする。電気分解(新物質が生成→化学変化)を「状態変化だから物理変化」とする逆転。
・熱伝導率の誤解:熱伝導率が「大きい→熱が逃げやすい→燃えにくい」のに「大きいから熱が蓄積されやすく危険」と逆転させる。
・比熱の逆転:比熱が大きい=温まりにくく冷めにくいのに「大きいから温まりやすく危険」と逆転させる。水の比熱が大きいことが冷却消火に有効な理由と矛盾する記述を配置。
・酸化と還元の定義逆転:酸素を失う反応は「還元」なのに「酸化」と呼ぶ。イオン化傾向が大きい→酸化されやすい(さびやすい)のに「還元されやすい」とすり替える。
・熱の移動のすり替え:真空中でも熱が伝わる「熱放射(電磁波)」を「対流」と呼ぶ。「真空中では熱は一切伝わらない」という直感的な誤解を利用する。
【見破り方】
・比熱が「大きい」→温まりにくく冷めにくい(水が消火に有効な理由)。熱伝導率が「大きい」→熱が逃げやすい(蓄積しにくい)。どちらも「大きい=危険」ではない。
・「酸素を失う」「水素を得る」「電子を得る」は「還元」の3つのどれかに必ず当てはまる。
・「真空中でも熱が伝わる」のは熱放射だけ。太陽熱が宇宙を伝わる=熱放射と覚える。
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